2017.02.21

キライがスキに変わるとき:よろず女子百景(15)


嫌いだったはずなのに、いつの間にか好きになってしまう。そんな恋もある。

彼の笑顔ひとつで恋に落ちてしまった

大っキライな男の子がいた。


じぶんのことしか考えてなくて身勝手で、こちらが優しく接してもことごとくスルー。

いつも我関せずで、じぶんからみんなの会話の輪には決して入らない男の子。


“絶対に好きにはならないタイプ”だった。


だけどナゼか、不思議といつも気になってしまう存在で……。いや待てよ? この感じって何かに似てない!?


……猫だ。


気ままな猫は、決して人間に媚びたりしないし、その塩対応こそが猫の醍醐味。

だけど、いざそれをリアル人間にされると、なんとも無性にイライラして……


そう。彼ってば、猫っぽいのだった。


だからか! ムカつきながらも惹かれるのは。そう腑に落ちた。



そしてあるとき。みんなの前で急に話題を振られた彼が何かボソっと答えたら、思いっきりツッコまれて、その場にいた全員が大爆笑。


するとその瞬間、彼もフッと吹き出して顔を横にそむけ、肩を小刻みに震わせながらクスクスと無防備に笑ったのだった。


え? 今の何?


目がまんまるになった。そんな風に笑う彼は初めてだったから。メチャクチャ意外!


彼も笑うんだな~。しかも笑い方ウケる(笑)。


と、その姿を横目に、彼に対する敵意みたいなものが嘘みたいにスーッと消えていった。


そして何より、あの一瞬見せてくれた笑顔に、猫がものすご〜くたまにすり寄ってきてくれた時の「よっしゃ!」感と似たものを感じていた。


ツンデレもまた、猫の最大の魅力!

……やっぱり彼って、猫なのだ。


私が最も嫌っていたはずだった彼のきまぐれさは、裏を返せば、猫同様めっちゃ「萌え〜」な性質だった。


そりゃ、ムカつきもするし、ある瞬間”デレ”を見せられたりしたら……好きになっちゃうよね(笑)。


というか……なってしまった。だけど今さら恥ずかしくって、彼にどう接したらいいの? と、分からなすぎて、

野良猫に恐る恐る近づくように、彼に接触を試みるドキドキな日々が始まった。


だって、あんなに可愛らしく笑う彼なら、”絶対に好きになってしまうタイプ”だもの。(大島智衣/脚本家、エッセイ・コラムニスト)


(ハウコレ編集部)

関連記事